レオナルド・ダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」は2枚ある!

レオナルド・ダ・ヴィンチは、いくつもの有名な絵画を描いていますが、この「岩窟の聖母」も、彼の著名な作品のひとつだと思います。実はこの絵、2枚あるんです。

一枚はルーブル美術館に、もう一枚はロンドンナショナルギャラリーにあります。

絵が2枚ある、というと、それがミステリーだとか謎だとか、そういう文脈で語られがちです。けれども、モナリザを描いたものも2枚あるし、ゴッホのひまわりを題材にした絵も6枚現存しています。

弟子の習作であったり、何らかの事情で同じものを再度描く必要が生じたとか、下描きのつもりで描いたとか、理由は様々ですが、同じ絵や同じモチーフの絵が複数あることは別にそこまで珍しいことではなく、少なくともミステリーという文脈からは遠く離れたところにあります。

さて、「岩窟の聖母」の場合は、どんな事情があったのでしょうか。

この絵の場合、左がルーブル美術館に所蔵されているもの、右がロンドンのナショナルギャラリーに所蔵されているものです。見比べると、同じ構図とは言え、けっこう違いますよね。

この作品は、1483年に、聖母無原罪の御宿り信心会教会から、ミラノのサン・フランチェスコ・ グランデ聖堂の祭壇画聖堂祭壇絵としてダヴィンチへ注文がなされたものです。

期限を過ぎて完成した左の作品に対し、レオナルドが高値を付けたため、注文主以外の人に売却されました。それがのちにフランス王家の手に渡り、現在ルーブル美術館に所蔵されています。

その後、再度この絵に取りかかり、とは言えダヴィンチはあまりこの絵に取り組みたくなかったのか、工房の優先順位が低かったのかは分かりませんが、長い間未完成の状態が続いていたのを、やっと完成させたのは彼が50代の時でした。

18世紀に教会がこの絵を売りに出し、幾人かの収集家を経て、現在はナショナルギャラリーへと所蔵されています。

さて、注文主が依頼したテーマは、「無原罪の宿り」だった、とも言われています。「この絵が無原罪の宿り?」と思われるでしょうが、岩窟は穢れなき子宮を象徴しているようです。

また、ナショナルギャラリーでは左の赤ちゃんが十字架を持っていますが、この十字架はどちらがヨハネでどちらがキリストかということを明確にするため、後の時代にダヴィンチ以外の人が描き足したものだそうです。それにより、左がヨハネ、右がイエスということがはっきりします。(もちろん、イエスの手から、彼がイエスであることを認識することが可能です。)

ロンドンに行ったらぜひ、ナショナルギャラリーにぜひ足を運んでみてください。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です