ティツィアーノとヴェネツィア派展

ティツィアーノ概略

ティツィアーノは、20代でサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂の聖母被昇天を完成させ、一躍注目を浴びる。師匠であるベリーニから光と色彩学び、また、ジョルジョーネの助手となった。ジョルジョーネが若くして世を去ると、ヴェネツィアの絵画界はティツィアーノの独壇場となった。

90際近い高齢で世を去る。晩年の「ピエタ」は、筆だけでなく指を使ったことで著名。色彩の錬金術と呼ばれた。

今回の展示概略

イタリアとの国交150周年を記念して、ヴェネツィア派の絵画を展示したもの。開催日時:2017/1/21-4/2@東京都美術館

来た、主な絵

  • フローラ ティツィアーノ

ウフィツィ美術館より。

  • ダナエ ティツィアーノ

ダナエは3枚あるが、今回来たのはナポリのカポディモンテ美術館から。アルゴスの王の娘ダナエに対して、黄金の雨になったユピテルが現れダナエに降り注ぐ官能的なシーン。

発注者はファルネーゼ家。モデルはファルネーゼ家アレクサンドロの愛人と言われており、ローマで完成させた絵。

当時ライバルとされていたミケランジェロは、素描の修練が足りないと述べたそう。これは、形を明確にとらえることを是としたフィレンツェ派と、色彩のヴェネツィアと呼ばれたヴェネツィア派の違いを明白にするエピソードと言える。

  • 教皇パウルス三世の肖像 ティツィアーノ

ファルネーゼ家出身の教皇パウルス3世の肖像。ティツィアーノは、神聖ローマ皇帝かつスペイン王カール五世のお気に入り画家だった。(だからマドリッドのプラド博物館にはティツィアーノの絵画がたくさんある。)

ベラスケスの描いたインノケンティウス10世など、スペイン絵画へ与えた影響が見られ、非常に興味深い絵となっている。

  • マグダラのマリア ティツィアーノ

ローマと距離を置くようになった頃の絵。なんとなくスペインへのかけ橋的な絵に見える。

 

 

ティツィアーノの絵画のほかにも、ヴェネツィア派の画家の絵画が多数、来日。

手すりの向こうに半身の聖母子等を置く構図は、ベリーニが多用し広めたもの。ヴェネツィア派は上半身から上を切り取った構図が多く用いられることは知っていたが、これらもこのベリーニの聖母子像構図からの流れだろうか。

また、背景が黒になった、黒と光の対比的な色使いの絵画がいくつか展示されていた。これもヴェネツィア派の一つの特徴。一般的にはカラヴァッジョがこの技法の代名詞とされているが、それよりも前にヴェネツィア派で多く使われていた技法だということは書きとめておくに値することであると思う。

 

  • 眠るウェヌスのいる風景 ボリドーロ・ダ・ランチャーノ ウフィツィ美術館

今回来ていたのはこれ。1540年頃のもの。

こちらはティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」 1538年@ウフィツィ

こちらはジョルジョーネの「眠れるヴィーナス」1510年@ドレスデン

後にはベラスケスが「鏡のヴィーナス」として描いたりするわけで、ヴェネツィア派からスペインへ、の流れが見て取れて面白すぎました。

(もちろん、別の流れとしてマネのオランピアへ、ってのは忘れちゃいけない流なんだろうけど)

  • ティントレットの「レダと白鳥」

スパルタ王の妻レダに恋したユピテルが白鳥になってあらわれたシーン。

ティッツィアーノ展の会場リストのPDFはこちらから(ティッツィアーノ展

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